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エアロツインマルチのメカニズム解剖

エアロツインマルチのメカニズム解剖

最新フラットワイパーのメカニズム解剖 その1

ベースラバーは往復時に優れた反転性を持たせるため柔らかくし、ウインドウと接するリップラバーは確実な拭き取りと耐久性確保のためコシを持たせている。リップ部はグラファイトコーティングで滑らかな拭き取り。
高速走行でも浮き上がらず、風を味方に付けてウインドウに押し付ける上部全面スポイラー形状。上の写真は端にあるキャップを取り除いたところ。ラバー部は平行にセットされた板スプリングの間に差し込まれている。スポイラーはスプリングのカバーも兼ねる。

フラットワイパーの元祖は、
耐久性能も鍛え抜かれている。

1999 年から数多くの欧州車で純正採用されているのがボッシュのエアロツイン。全高を抑えたデザインで外観のスマートさと車内からの視界確保に貢献。これに汎用性を加えて国産車や輸入車のU フック対応としたのがエアロツインマルチ。信頼を重視するボッュだけあり、新サイズのリリース時には50 万回の耐久テストを実施するという。
エアロツインマルチはリフィール(交換用ラバー)対応。通常タイプの他、撥水コート機能付きのシリコンプラスリフィールもある。

最新フラットワイパーのメカニズム解剖 その2

ブレードをバラバラにして、構成パーツをチェック フラット型 トーナメント型
ワイパー交換の目安:拭きムラ、ビビリが見られたら交換しよう! ブレードの劣化症状

トーナメント型ワイパーでの劣化症状例。拭きムラが縞模様にでている。各部を観察すると、ラバーの端やトーナメント部との接続部に亀裂が入っているのが分かる。また別のブレードでは支点部やトーナメント部との接続部にサビが出たものもあった。これは作動不良による拭きムラの原因になる。

交換は従来品とほぼ同じ

上の写真のような拭きムラが発生していたトーナメント型ワイパーをボッシュのエアロツインマルチに交換してみた。フック部のカバーがあるので、これを起こしてからアームの先端を入れるのが従来と違うところだが、それ以外は極めて簡単に脱着できる。交換後はクリアに拭き取れるようになり、雨の走行が楽しくなるくらい快適になった。

装着したワイパー
面圧の違い フラット型 トーナメント型
フラット型では、アーチ状のスプリング全体でラバーを押し付けるため、面圧分布が均等になりやすい。特にウインドウ曲面に影響される両端は押し付け圧が確保しやすい。
トーナメント型はラバーとの接続部が3 ~ 8 点あり、そこから押し付け力が分散するため、面圧にムラがでる。特に劣化時に影響が発生して、シマ模様の拭きムラが起こりやすい。
重さが段違いに軽い! 重さが段違いに軽い
ワイパーブレード
同じ長さのワイパーブレードで重さを量ってみた。500mm ではトーナメント型が185g に対し、ボッシュのエアロツインマルチでは110g で75g も軽量だった。参考までに樹脂カバー付きトーナメント型(500mm)は163g。ミニバン系などで使われる650mm のブレードでもトーナメント型の210g に対し、エアロツインマルチは153g と57g 軽かった。
ちなみにワイパーへの荷重は?
ちなみにワイパーへの荷重は?
500mm用で約700gだったワイパーブレードはアームに内蔵されたスプリングによってウインドウに押し付けられるが、この荷重を専用ゲージで計測してみた。500mmブレードの国産車では約700gだった。
メリットが多数あるフラットワイパー

市場に出回っているワイパーブレードの基本構造は、従来からのトーナメント型と2000 年頃から登場したフラット型に大別される。

トーナメント型は、その名の通り勝ち抜き戦の対戦図のような構成で、クルマ側のワイパーアームによって押し付けられる力を中央から各エレメントを通じて分散していくものだ。ラバーとエレメントとの接続部の数はラバーの長さによっても違うが、3 ~ 8 箇所が一般的である。このラバーへはスチールの芯を経由して押し付け力を分散しているが、それでも固定部に作動時の応力が集中しやすく、劣化したブレードを見ると、エレメントとの接続部付近に亀裂が入り、拭きムラが縞模様に出ることがある。

これに対してフラット型は、2 本のアーチ型スプリングを平行につないだ間にラバーを挟んでおり、スプリング全体でラバーを押し付ける方式。ワイパーアームに装着したブレードをウインドウ面へ接触させていくと良く分かるが、トーナメント型のラバーが中央から接触するのに対し、フラット型は両端から接触していき、アーチ型スプリングとワイパーアームの押し付け力がバランスした状態で、均等にラバーが接触する。

高速走行時の風圧からの影響も違っている。トーナメント型だとエレメント部のすき間に風が通過して乱流が起こり、浮き上がったりブレード自体が振動する場合があるが、フラット型だとスプリングがスポイラーでフルカバーされているので、風圧の悪影響を受けにくく、異物の挟み込みやサビの発生による作動不良が極めて起こりにくいというメリットもある。

さらにトーナメント型は支点部が多く、特に劣化してくると往復時のガタツキが出やすいが、フラット型はそもそも可動部がほとんどないので初期性能を長期間持続しやすくなっている。

たかがワイパーだと思うかもしれないが、視界は全てのシーンで基本的かつ重要な情報源である。ワイパーのグレードアップは梅雨のドライブを安全で楽しいものにしてくれるだろう。

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