Race Report - 第4戦 富士スピードウェイ
一日目 予選(2018年7月7日/雨/ウェット)
予選レポート
キャシディ選手、自身2度目のPP獲得!
今シーズン第4戦を迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権。開催初日の7月7日は、梅雨前線の影響を受けあいにくの天候に見舞われたが、舞台となった静岡・富士スピードウェイで繰り広げられたノックアウト予選で、KONDO RACINGの3号車を駆るニック・キャシディ選手が渾身のアタックを披露。見事トップタイムをマークし、自身2度目となるポールポジションを手に入れた。また、4号車・山下健太選手は12位から決勝での追い上げを目指す。
およそ1ヶ月半ぶりの大会となった今回。富士スピードウェイは前日から雨模様となった。朝のフリー走行はウェット宣言が出て全車がレインタイヤを装着。その中で山下選手がトップをマークし、予選に向けて弾みを着けた。また、キャシディ選手も好位置の5番手につけた。
迎えたノックアウト予選。各チーム、ドライバーにとって一番の難敵はズバリ”天気”。午後2時30分スタートのQ1はセッション直前に雨が降ったが、路面がまだ乾いていたため、ミディアムのスリックタイヤでのアタックを敢行する。まず、最初のアタックで山下選手が1分24秒204のタイムで3番手に、そしてキャシディ選手は1分24秒564で8番手につける。終盤になると、2セット目のミディアムタイヤを装着してラストアタックに挑んだが、メインストレート上が完全にウェットコンディションへ変化。タイム更新とはならなかったが、山下選手は3番手、キャシディ選手は9番手でセッションを終了。KONDO RACINGは2台揃ってQ2進出を果たした。
Q2は午後3時にスタート。アタック時間は7分間。3、4号車ともソフトのスリックタイヤを装着し、コースへ向かう。しかし雨に対する警戒心は薄れておらず、アタックのタイミングや運も味方につけたいところ。
Q2でいい流れを味方につけたのは、キャシディ選手の方だった。タイミングを合わせ、1分23秒568をマークして3番手を獲得、Q3進出を決めた。一方、山下選手は早めのアタック開始が裏目に出てしまい、コース上で集団に前を塞がれることに。結果、タイムを伸ばせず1分24秒834のタイムに甘んじ、12番手。Q2で走行を終えることとなった。
迎えた最終アタックのQ3。午後3時17分、セッション開始時は雨模様ではあったが、ウエットタイヤでの出走とはならず、まずはスリックタイヤでコースイン。アウトラップ中にタイヤ交換を意識したキャシディ選手はすぐさま無線でコンタクトを取り、ピットイン。タイヤ交換を済ませて最後のアタックへと向かった。キャシディ選手は高い集中力を維持、しっかりとタイヤを温めながら満を持して走行。結果、刻んだタイムは1分38秒098でトップとなり、自身としては2度目(1度目は昨年の菅生大会)となるポールポジションを獲得した。
およそ1ヶ月半ぶりの大会となった今回。富士スピードウェイは前日から雨模様となった。朝のフリー走行はウェット宣言が出て全車がレインタイヤを装着。その中で山下選手がトップをマークし、予選に向けて弾みを着けた。また、キャシディ選手も好位置の5番手につけた。
迎えたノックアウト予選。各チーム、ドライバーにとって一番の難敵はズバリ”天気”。午後2時30分スタートのQ1はセッション直前に雨が降ったが、路面がまだ乾いていたため、ミディアムのスリックタイヤでのアタックを敢行する。まず、最初のアタックで山下選手が1分24秒204のタイムで3番手に、そしてキャシディ選手は1分24秒564で8番手につける。終盤になると、2セット目のミディアムタイヤを装着してラストアタックに挑んだが、メインストレート上が完全にウェットコンディションへ変化。タイム更新とはならなかったが、山下選手は3番手、キャシディ選手は9番手でセッションを終了。KONDO RACINGは2台揃ってQ2進出を果たした。
Q2は午後3時にスタート。アタック時間は7分間。3、4号車ともソフトのスリックタイヤを装着し、コースへ向かう。しかし雨に対する警戒心は薄れておらず、アタックのタイミングや運も味方につけたいところ。
Q2でいい流れを味方につけたのは、キャシディ選手の方だった。タイミングを合わせ、1分23秒568をマークして3番手を獲得、Q3進出を決めた。一方、山下選手は早めのアタック開始が裏目に出てしまい、コース上で集団に前を塞がれることに。結果、タイムを伸ばせず1分24秒834のタイムに甘んじ、12番手。Q2で走行を終えることとなった。
迎えた最終アタックのQ3。午後3時17分、セッション開始時は雨模様ではあったが、ウエットタイヤでの出走とはならず、まずはスリックタイヤでコースイン。アウトラップ中にタイヤ交換を意識したキャシディ選手はすぐさま無線でコンタクトを取り、ピットイン。タイヤ交換を済ませて最後のアタックへと向かった。キャシディ選手は高い集中力を維持、しっかりとタイヤを温めながら満を持して走行。結果、刻んだタイムは1分38秒098でトップとなり、自身としては2度目(1度目は昨年の菅生大会)となるポールポジションを獲得した。
公式予選記録
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | ORIENTALBIO KONDO SF14 | ニック・キャシディ | 1'24.564 | 1'23.568 | 1’38.098 |
2 | 16 | TEAM MUGEN SF14 | 山本 尚貴 | 1'24.181 | 1'24.197 | 1'38.289 |
3 | 1 | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14 | 石浦 宏明 | 1'24.451 | 1'23.641 | 1'38.786 |
12 | 4 | ORIENTALBIO KONDO SF14 | 山下 健太 | 1'24.204 | 1'24.834 | - |
近藤監督のコメント

ポールを獲ったニックは好条件を味方につけたと思います。上手くスリップを使っていたので2番手には行けるだろうと思ったら、トップタイムだったので良かったです。雨の走りの調子が良かったこともあり、良いアタックができました。
まだ予選の結果に過ぎないのですが、これまで苦労してきたことを思うと、正直な気持ちとしては「どうだ、見たか!」という感じですよね。ドライバーの速さ、チームの強さがアピールできました。明日、蓋を開けてみないと分からない部分もありますが、このサーキットは特に応援頂いているお客様も多いので、ぜひ良い結果を出していきたいと思います。頑張ってくれたスタッフにも感謝しています。
・3号車 ニック・キャシディ選手 今年、スーパーフォーミュラで結果を出したいという思いが大きく、それに向けて頑張っているので、今日の結果はとても嬉しいです。今日の予選で一番難しかったのは、クルマのセッティングでした。一方で、タイヤに関してはウエットでもドライでもどちらでもいけるという自信はありました。インターバルでは、ピットで作業をしようとメカニックが慌ただしくしていたので、僕が「セッティングは換えなくても大丈夫ですよ」と無線で話したら、周りはすごく驚いていました。どういう状況であってもポールポジションが獲れるという自信もあったし、まず落ち着いて行こうという思いがありました。
Q3でのアタックはウエットタイヤに交換して、セッティングもタイヤの内圧も決してパーフェクトではなかったのですが、まずは自分でやれることを最大限にやろうと心がけました。
山下 健太選手のコメント

エンジニアのコメント
【3号車】

【4号車】

二日目 決勝(2018年7月8日/曇り/ドライ)
決勝レポート
KONDO RACING、10年ぶりの美酒に酔う!
前日の予選では、不安定な天候に翻弄される難しいコンディションを物ともせず、力強いパフォーマンスを発揮したKONDO RACING。決戦を迎えた日曜日もその勢いは変わらず、チームは総力を上げて戦いに挑んだ。結果、ポールポジションからスタートを切った3号車のニック・キャシディ選手がレースを掌握しトップチェッカー! 自身スーパーフォーミュラ初優勝を達成した。また、チームにとっては2008年第7戦富士以来となる歓喜を味わうこととなった。
前回のSUGO大会で2位表彰台を獲得したキャシディ選手。実戦を重ねていくごとに速さはもちろん、強さを活かした走りを見せるようになっていた。今大会ではまさにそれが披露されたことになる。薄曇りながら、気温30度、路面温度37度まで上昇。レースウィーク一番の暑さとなる。ソフトタイヤを装着、ポールポジションからクリアスタートしたキャシディ選手。2番手の1号車と常に1秒前後の差でトップ争いを続ける。その後も安定したラップタイムを刻んでいたのだが、周回遅れの車両が前方に現れると自らのペースを崩すことになり、ストレスの溜まる状況が20周近く続いた。このため、後方の1号車とは僅差になったが、キャシディ選手はそのプレッシャーをはねのけながらレースを折り返し、後半の戦いへと向かっていった。
35周終了時、キャシディ選手がピットイン。待ち構えたスタッフがわずか12.9秒という申し分のない作業で給油とミディアムタイヤへの交換を果たし、再びコースへ送り出す。また、キャシディ選手もアウトラップで少しでもタイムを稼ごうと、渾身の走りを見せた。一方、1号車はさらに5周を走行してピットインしたことで、2台の差はより明確に。結果、キャシディ選手はそのままトップチェッカーを受け、スーパーフォーミュラでの初優勝を遂げた。
一方、4号車の山下健太選手。12番手スタートのため、レースでのポジションアップを狙い、早めのピットインでソフトタイヤを装着し、追い上げを目指すこととなった。だが、スタートを上手く決めることができず、15番手へダウン。そこから粘りを見せつつ11周終わりでピットに戻った。ソフトタイヤでの走行を開始した山下選手は、目の前に立ちはだかるライバルとのバトルに、ひとつ、またひとつと挑み、後半には入賞圏内が視野に入ってくる。
49周目、10番手まで浮上した山下選手。目前に迫った37号車と激しいバトルを続け、54周目のコカ・コーラコーナーではアウト側にラインを取って逆転! しかしその最中、37号車が山下選手の左リアサイドに接触。これでバランスを崩してコースアウト、その場にクルマを止めてしまった。結果、山下選手はチェッカーを待たず、戦いを終えることとなった。
明暗分かれる結果となった富士大会だが、戦いを重ねるごとに戦力アップしていることは明らか。チームでは、続く第5戦もてぎ大会で3、4号車揃っての躍進を目指していく。
前回のSUGO大会で2位表彰台を獲得したキャシディ選手。実戦を重ねていくごとに速さはもちろん、強さを活かした走りを見せるようになっていた。今大会ではまさにそれが披露されたことになる。薄曇りながら、気温30度、路面温度37度まで上昇。レースウィーク一番の暑さとなる。ソフトタイヤを装着、ポールポジションからクリアスタートしたキャシディ選手。2番手の1号車と常に1秒前後の差でトップ争いを続ける。その後も安定したラップタイムを刻んでいたのだが、周回遅れの車両が前方に現れると自らのペースを崩すことになり、ストレスの溜まる状況が20周近く続いた。このため、後方の1号車とは僅差になったが、キャシディ選手はそのプレッシャーをはねのけながらレースを折り返し、後半の戦いへと向かっていった。
35周終了時、キャシディ選手がピットイン。待ち構えたスタッフがわずか12.9秒という申し分のない作業で給油とミディアムタイヤへの交換を果たし、再びコースへ送り出す。また、キャシディ選手もアウトラップで少しでもタイムを稼ごうと、渾身の走りを見せた。一方、1号車はさらに5周を走行してピットインしたことで、2台の差はより明確に。結果、キャシディ選手はそのままトップチェッカーを受け、スーパーフォーミュラでの初優勝を遂げた。
一方、4号車の山下健太選手。12番手スタートのため、レースでのポジションアップを狙い、早めのピットインでソフトタイヤを装着し、追い上げを目指すこととなった。だが、スタートを上手く決めることができず、15番手へダウン。そこから粘りを見せつつ11周終わりでピットに戻った。ソフトタイヤでの走行を開始した山下選手は、目の前に立ちはだかるライバルとのバトルに、ひとつ、またひとつと挑み、後半には入賞圏内が視野に入ってくる。
49周目、10番手まで浮上した山下選手。目前に迫った37号車と激しいバトルを続け、54周目のコカ・コーラコーナーではアウト側にラインを取って逆転! しかしその最中、37号車が山下選手の左リアサイドに接触。これでバランスを崩してコースアウト、その場にクルマを止めてしまった。結果、山下選手はチェッカーを待たず、戦いを終えることとなった。
明暗分かれる結果となった富士大会だが、戦いを重ねるごとに戦力アップしていることは明らか。チームでは、続く第5戦もてぎ大会で3、4号車揃っての躍進を目指していく。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAPS | TIME | DELAY | BEST TIME |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | ORIENTALBIO KONDO SF14 | ニック・キャシディ | 55 | 1:20'59.984 | - | 1'25.682 |
2 | 1 | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14 | 石浦 宏明 | 55 | 1:21'04.270 | 4.286 | 1'25.810 |
3 | 2 | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14 | 国本 雄資 | 55 | 1:21'32.730 | 32.746 | 1'26.134 |
4 | 20 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 | 平川 亮 | 55 | 1:21'35.290 | 35.306 | 1'26.023 |
5 | 36 | VANTELIN KOWA TOM’S SF14 | 中嶋 一貴 | 55 | 1:21'43.496 | 43.512 | 1'26.903 |
18 | 4 | ORIENTALBIO KONDO SF14 | 山下 健太 | 53 | 1:18'57.307 | 2Laps | 1'26.494 |
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
3 | ORIENTALBIO KONDO SF14 | 1'25.682 5/55 191.718km/h |
CarNo.37は、統一規則第15条1.1)2)(衝突により他車のコースアウトを強いるもの)違反により、競技結果に60秒加算及びペナルティポイント1を科す。
近藤監督のコメント

優勝した途端、周りからはチャンピオンシップのことばかり言われるようになりました。でも正直、まだその点に関しては口にしたくないというのが本音です。慎重に今までやってきたので、次のもてぎで良い結果が出せたときには、チャンピオンシップのことをもう少し意識することができるんじゃないかと思います。今日のレースでニック(キャシディ)はやはり速いということを確認することができました。とはいえ、楽なレースではなかったです。でも勝つときってこんな感じなんでしょう。負けたときの悔しさや苦労はもっと大きいですが、勝ったことでそれまでの思いを忘れることができますからね。一方、(山下)健太もひとつひとつを見ていけば、彼の速さを感じる戦いをしてくれています。ちょっと今は結果に結びつけることができていないようですが、彼にもチャンスが巡ってくるはず。もちろん結果を出すことも必要ですが、それがすべてじゃない。引き続き頑張ってもらえたらと思います。
ニック・キャシディ選手のコメント

スタートはホイールスピンしないように、安全に…、と気を付けていました。新しいクラッチシステムを導入していたこともあって、どう使うかも課題でしたし。まずスタートはOKで、レースもリードできたし、上手くソフトタイヤを使えるようマネージメントしました。ただ、20周くらいの間、周回遅れのクルマに絡んでしまったこともあってダメかもと思ったこともありました。でも勝つことができたのはラッキーでしたね。
ピットイン後、ミディアムに換えてからはグリップが良かったし、自分のペースを作ることもできました。なにしろアウトラップは人生で一番大事なラップだという思いで走っていましたから。SUGO戦のあとから、選手権のことよりもクルマを良くすることだけを考えてきたのですが、レースウィークまでによりクルマを理解することに努めて、それが結果として現れたことを誇りに思っています。これからも、チャンピオンシップやポイントのことを考えるとレースとして大事なことがうやむやになるので、とにかくクルマを良くすることに集中していくことがチャンピオンシップに繋がっていけばいいと思っています。
山下 健太選手のコメント

エンジニアのコメント
【3号車】

【4号車】
