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Race Report: SUPER GT×DTM 特別交流戦

レース1(2019年11月23日/雨~曇り/ドライ)

レース1レポート

初の特別交流戦、初日のレース1は17位に甘んじる

日本のモータースポーツ史上初となる「SUPER GT × DTM 特別交流戦」が静岡県・富士スピードウェイにて開幕。SUPER GT最終戦からまだ1ヶ月も経たないうちに迎えたDTMとの本戦。まず、レース1の戦いに挑んだ24号車リアライズコーポレーションADVAN GT-Rは、ヤン・マーデンボロー選手を擁して予選7番手からスタート、ポジションアップを狙ったが、コンディションに見合ったパフォーマンスを存分に引き出せず、17位で戦いを終えている。

レギュラー戦とは異なるレースフォーマットでの戦いとなる特別交流戦。結果、タイヤテストを含む多くの走行セッションが設けられたが、各チームとも特別交流戦用に提供されるハンコックタイヤに見合うセットアップを見出そうと、精力的に周回を重ねることとなった。あいにく天候が優れず、大半がウェットコンディションでの走行となったが、24号車リアライズコーポレーションADVAN GT-Rは濡れる路面をものともせず着実にタイムアップ。予選に向けて手応えある準備を進めていった。

小雨の中でのタイムアタックとなった予選1。気温13度、路面温度12度と肌寒さを感じる中、マーデンボロー選手がコースインする。雨量の少ない中、早いタイミングでタイムを刻むドライバーがいる中、マーデンボロー選手はタイミングを見計らい、セッション終盤になってポジションアップ。1分42秒724をマークして6番手につけた。だが、その後、別のSUPER GT車両がベストタイムを更新。これにより24号車リアライズコーポレーションADVAN GT-Rは予選7番手を獲得し、午後からの決戦に挑んだ。

午後2時半を過ぎて迎えたレース1決勝。予選後、一旦雨脚が弱まり、サーキット上空も明るくなり、天候もゆるやかに回復。近づくスタートに向け、SUPER GTとDTMの全車22台が整列するダミーグリッド上にはスリックタイヤとウェットタイヤの両方が用意されていたが、結局スリックタイヤでの戦いを迎える。なお、レースはSUPER GTで採用されているローリングスタートではなく、インディアナポリス式スタートを経て、ひとりのドライバーが55分間+1周というDTMフォーマットでの戦いへと向かった。

マーデンボロー選手はオープニングラップでポジションを落とし、10番手から追い上げを開始。時折ベストラップを更新しながら奮闘するも、ポジションを上げるのが難しく、後退してしまう。また、路面とタイヤの変化にクルマのセットが合わなかったことの影響が次第に大きくなり、そのマネージメントに尽力する展開に甘んじる。

14周目にはルーティンによるピットインを実施。ところが隣のピットとタイミングが重なり、不本意な形でクルマを停車することに。これでコース復帰の際に余計な時間を要してしまった。そんな状況でも、フレッシュタイヤを装着したマーデンボロー選手は17周目にベストラップをマーク。だが、その後ポジションアップのチャンスには恵まれず。終盤、1台のクルマがメインストレートエンドで緊急停止したことでセーフティカーが介入、前車とのギャップが縮まったことでリスタート時には逆転の意地を見せたが、最終ラップで再び後方車に先行されたことで、17位でチェッカーを受けることとなった。

公式記録

SGT×DTM

Pos. No. Class TEAM DRIVER GAP LAPS
1 37 SGT KeePer TOM’S LC500 ニック・キャシディ 35
2 17 SGT KEIHIN NSX-GT 塚越 広大 0.433 35
3 1 SGT RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴 5.862 35
4 6 SGT WAKO’S 4CR LC500 山下 健太 6.974 35
5 19 SGT WedsSport ADVAN LC500 坪井 翔 9.966 35
6 21 DTM Audi Sport Japan RS 5 DTM ブノワ・トレルイエ 11.242 35
7 36 SGT au TOM’S LC500 関口 雄飛 11.369 35
8 33 DTM Audi Sport RS 5 DTM レネ・ラスト 11.540 35
9 38 SGT ZENT CERUMO LC500 立川 祐路 13.421 35
10 16 SGT MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤 英紀 13.426 35
11 3 SGT CRAFTSPORTS MOTUL GT-R フレデリック・マコヴィッキィ 15.648 35
12 23 SGT MOTUL AUTECH GT-R ロニー・クインタレッリ 15.764 35
13 33 DTM Akrapovic Audi RS 5 DTM マイク・ロッケンフェラー 18.79 35
14 00 DTM BMW M4 DTM 小林 可夢偉 18.929 35
15 8 SGT ARTA NSX-GT 伊沢 拓也 19.832 35
16 39 SGT DENSO KOBELCO SARD LC500 中山 雄一 20.524 35
17 24 SGT リアライズコーポレーション ADVAN GT-R ヤン・マーデンボロー 22.480 35
18 11 DTM BMW M4 DTM マルコ・ウィットマン 1Lap 34
19 12 SGT カルソニック IMPUL GT-R 佐々木 大樹 7Laps 28
64 SGT Modulo Epson NSX-GT 牧野 任祐 10Laps 25
4 DTM BMW M4 DTM アレッサンドロ・ザナルディ 18Laps 17
28 DTM BMC Airfilter Audi RS 5 DTM ロイック・デュバル DNF

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
1 Modulo Epson NSX-GT 1’31.186

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

予選では7番手のグリッドを手にしました、その前日、タイヤテスト等でもいいタイムをマークすることができていたので、予選に向けて改めてしっかりとセッティングを見直し、予選でのポジションアップを目指していました。正直、一種の賭けのような要素もあったのですが、そのセットアップが裏目に出てしまいましたね。アタック中にはタイヤのムービングもあって、しっかりグリップしなかったんです。それなのに7番手につけることができたので、意外な感じもしました。 レースでは22台の車両が走る中、普段のSUPER GTよりコース上のタイヤカスも多く、それを避けるように走るのが大変でした。ただそれよりも僕らのクルマはセットアップがうまく行きませんでした。車高調整を含めうまくコースに合わせきれず、クルマをコントロールできなかったので、存分にパフォーマンスをお見せするチャンスを失いました。とても残念だし悔しい結果です。ただ、レースは明日もあるので、今日の課題をチームがしっかり反映させてくれることができれば、明日のセッションを担当するミツ(高星明誠選手)はもっといい戦いができると思います。

レース2(2019年11月24日/雨~曇り/ドライ)

レース2レポート

初の特別交流戦、レース2は12位でチェッカー

SUPER GT × DTM 特別交流戦最終日を迎えた富士スピードウェイ。降りしきる雨からようやく解放され、薄曇りではあったもののレースウィーク中、一番穏やかな天候となった。レース2で24号車リアライズコーポレーションADVAN GT-Rを駆った高星明誠選手は思い切った戦略で決戦に挑み、予選21番手を獲得。決勝では、果敢に攻防戦を繰り広げつつ荒れ模様の展開の中でアクシデントを見事に回避、12位でチェッカーを受けた。

レースウィーク中、ウェットコンディションが先行したSUPER GT × DTM 特別交流戦。午前9時からの予選2でも雨はほぼ降っていない状態だったが、走る各車両の後方からは水煙が高く上がる路面コンディション下でのアタックが始まった。チームは、前日にマーデンボロー選手が挑んだレース1の予選、決勝データを踏まえ、またレース2のドライバーとなる高星選手からのリクエストをも取り入れたクルマを準備。20分間のセッションに挑んだ。高星選手はまず早い段階で1分49秒947をマーク。一旦ピットインし、再度アタックのチャンスを伺った。しかし、後半アタックでの自己ベストタイム更新には至らず。結果、24号車リアライズコーポレーションADVAN GT-Rは21番手からの決勝を迎えることになる。

サポートレース中は日差しに恵まれることもあったが、午後2時半過ぎからの決戦を迎える頃には、再び灰色の雲がサーキットの上空を覆い尽くす。ただし午前中のコンディションとは異なり、ドライへと回復した路面でのレースが幕を開けた。インディアナポリス式スタートを切った全22台。オープニングラップで19番手へとポジションアップした高星選手は一台、また一台と前方の車両とのバトルに挑んでいく。その一方で、レースそのものがヒートアップ。またトラブルに見舞われる車両も現れ、まず9周目、レース開始から15分経たない時点でセーフティカー(SC)が介入する。17番手を走行していた高星選手は、SC解除でのリスタートを味方にポジションアップを狙って攻防戦を展開。抜きつ抜かれつの激しいバトルをその後も繰り返した。

レースはこのあと20周目、さらに26周目と、計3度のSC介入となり、まさにサバイバルレースへと変貌。その中でも高星選手は冷静沈着なレース運びでしっかりとアクシデントを回避する。また、3回目のSCラン解除後はなんとラスト1周でのバトルとなったが、その中でも懸命にプッシュし、前方車両に喰らいつく走りを見せた。結果、12位でチェッカーを受け、タフな戦いを終えている。

公式記録

SGT×DTM

Pos. No. Class TEAM DRIVER GAP LAPS
1 64 SGT Modulo Epson NSX-GT ナレイン・カーティケヤン 31
2 11 DTM BMW M4 DTM マルコ・ウィットマン 0.935 31
3 28 DTM BMC Airfilter Audi RS 5 DTM ロイック・デュバル 1.825 31
4 1 SGT RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴 3.412 31
5 00 DTM BMW M4 DTM 小林 可夢偉 3.743 31
6 16 SGT MOTUL MUGEN NSX-GT 中嶋 大祐 4.356 31
7 99 DTM Akrapovic Audi RS 5 DTM マイク・ロッケンフェラー 4.536 31
8 37 SGT KeePer TOM’S LC500 平川 亮 4.681 31
9 33 DTM Audi Sport RS 5 DTM レネ・ラスト 5.624 31
10 21 DTM Audi Sport Japan RS 5 DTM ブノワ・トレルイエ 7.226 31
11 23 SGT MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生 7.542 31
12 24 SGT リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠 7.635 31
13 4 DTM BMW M4 DTM アレッサンドロ・ザナルディ 7.68 31
14 39 SGT DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン 8.95 31
15 6 SGT WAKO’S 4CR LC500 大嶋 和也 9.311 31
16 19 SGT WedsSport ADVAN LC500 国本 雄資 49.310 31
17 12 SGT カルソニック IMPUL GT-R ジェームス・ロシター 5Laps 26
18 3 SGT CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 平手 晃平 5Laps 26
19 36 SGT au TOM’S LC500 中嶋 一貴 5Laps 26
20 38 SGT ZENT CERUMO LC500 石浦 宏明 5Laps 26
21 17 SGT KEIHIN NSX-GT 塚越 広大 6Laps 25
22 8 SGT ARTA NSX-GT 野尻 智紀 6Laps 25

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
64 Modulo Epson NSX-GT 1’31.572

高星 明誠選手のコメント

レース1からクルマのセットを大幅に変えました。方向性を含め、僕自身がやりたいと思っていることをやりました。ただそれに対して他のものをアジャストしきれず、あまりいい結果を残すことができませんでした。しかし一方で、悪くないというフィーリングを得ることはできました。方向性としては間違っていなかったし、トライして良かったと思います。

セットに関しては確かに詰めなきゃいけない部分もありましたが、時間が限られる中、ある意味応急処置みたいな感じでやったことでもかなり良かったので、インディアナポリス式のスタートでもどんどんポジションを上げることができましたが、他の車両とストレートスピードの差が出てしまいました。ただ、全体的にはポジティブな要素が多かったと思います。

今回、シーズンを通してやってきたことに加え、新たに思い切って取り組んだことが大きな影響をもたらしました。決勝中、混戦の中で自分のペースでコーナーを立ち上がれなかったことでストレートだと離されてしまう、という繰り返しになり、それでポジションを下げてしまったのですが、リスタートでは必ず順位を上げることはできました。たしかに歯がゆいレースでした。チームは僕のリクエストを取り入れてくれたので、なんとしても日産勢のトップでチェッカーを受けたかったのですが、それが叶わず悔しいですね。

特別交流戦を終えて。監督およびチームエンジニアのコメント

近藤真彦監督

今回の特別交流戦は、セッティングによって日産とレクサス、そしてホンダでそれぞれ特性が出るレースになりました。そういう意味で、比較することはできませんが、うちは割とダウンフォースをつけていったので、レースではブレーキングとコーナーでの走りは良かったのですが、ストレートで遅れをとってしまいました。あと、正直、日産勢はエンジンの面でも少し他よりも物足りない部分があったと思います。その分、セッティングでコーナリングスピードをカバーしようと思いました。結構いいクルマには仕上がったものの、富士スピードウェイはストレートが長いので抜いてもそこで追いつかれる。だからコーナーで2台抜いてきても、ストレートで3台抜かれるという展開になりました。

ドライバー自身はすごく頑張っているのに、ストレスを感じる展開になっていたと思います。ヤン(マーデンボロー)は、初日のレースだったこともあり、うまくセットを引き出せずレースをさせてあげられませんでした。練習走行時での速さが出せたのに残念でした。チームとして申し訳なかったです。一方、高星(明誠)においては、本当にベストを尽くして走ったと思います。セーフティカーが入り、リスタートが幾度もあったのにクルマを傷つけることなく戦っていました。

ふたりのドライバーは本当によくやってくれました。短い時間でレースに向けて色々トライする中で、チーム力を見つめ直すいい機会にもなりました。今回の初めての特別交流戦で成績は残念ながら伴いませんでしたが、その中でもチームは色んなことにトライするなど、すごく頑張ったと思います。今シーズンのすべてのレースが終わりましたが、もう次のステージに向け、色々と準備を始めています。来シーズンはさらに成長できるよう、引き続きチャレンジしていきます!

チームエンジニア

両レースとも、かなり抜きつ抜かれつの展開が続き、その結果ポジション変動が目まぐるしく起こりました。クルマの特性の違いが大きく、レース中はどうしてもストレートでDTM勢との違いが出てしまい、せっかくコーナーで逆転できたとしてもまたストレートで先行されるようなことが多かったですね。

一方、レギュラーレースとは装着するタイヤが異なったことで、クルマのセッティングに関しては時間の許す限りありとあらゆることに着手してトライしていました。24号車だけでなく、日産勢として一緒にできることにチャレンジもしました。新型車両となる来シーズンへの準備としてもいい機会になったと思います。そういう意味でも大変内容のあるいいレースウィークだったと思います。

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